プロが伝授する旅のノウハウ

今回のコラムは、世界51カ国を旅した経験のある旅の達人、村上アシシさんに登場していただきます。「半年仕事・半年旅人」のライフスタイルを10年以上続けているアシシさん。サッカー日本代表と北海道コンサドーレ札幌を応援する「プロサポーター」としても有名で、Yahoo!個人では刺激的なコラムを更新し続け、多くのアクセスを集めるバズ職人でもあります。

そんなアシシさんは、旅人生活の中で培った海外旅行ノウハウを電子書籍『ロジ旅 ひとりでできる! 失敗しない海外旅行術』にまとめています。培った膨大なノウハウの中から、今回はスマホでかんたんアクセス可能、海外旅行に便利な2016年最新ウェブサービスを紹介してもらいました。ぜひご覧ください。

個人手配でプライスレスな体験を

いきなりぶっちゃけると、旅行代理店が提供する高額なパッケージツアーを利用する人は、「情弱」か「金持ち」のどちらかです。少しでも旅費を節約したいという人は、このコラムでノウハウを学んで、代理店に頼らず自力で海外旅行を手配してみませんか?
 
実はここ数年で、海外旅行に使える便利なウェブサービスやスマホアプリなどがたくさん登場してきているんです。これらのサービスを活用すれば、旅行代理店の力を借りずとも、誰でも1人で気軽に海外旅行に行くことができます!

個人手配で旅に出ることで、得られるメリットは節約だけではありません。旅先で自由に行動できることで、パッケージツアーでは決して得られない人との出会いや、貴重な経験をすることができます。

「旅先での出会い」とは具体的にどういうものでしょうか? 僕は2006年ドイツワールドカップで、個人手配する海外旅行の醍醐味に初めて目覚めました。キャンピングカーを手配し、旅仲間とともに自由にドイツ全土を飛び回ったのです。旅の序盤、旧東ドイツにあるライプチヒという街で観た試合で、スタジアムの前列にたまたま座っていたドイツ人親子と仲良くなりました。日本から持参した日本代表リストバンドを子どもにプレゼントしたところすごく喜んでもらえ、お父さんから「宿が決まってないのか? なら、ウチに来なさい」と誘われたんです。
 
そこで、彼の家があるマグデブルクという街に訪れることに。彼の自宅ではドイツの家庭料理をごちそうになったり、彼が教鞭をとっている高校の授業に飛び入り参加して日本という国を紹介させてもらったり、お金には代えられない貴重な経験をたくさんさせてもらいました。

そのお礼にドイツ対イタリアとなった準決勝のプラチナチケットを連番で2枚僕は持っていたので、その1枚を譲ってあげたら、サッカー好きの彼は涙を流して喜んでくれました。彼とはその後も連絡を取り合っていますし、ドイツに行くたびに英語の授業に参加させてもらっています。こんなプライスレスな異文化交流は、旅程が事前に決まっているパックツアーでは絶対にできません!

そんな魅力たっぷりの個人手配の海外旅行を実現するために、今回のコラムでは、手配から旅先での行動までサポートしてくれるウェブサービスを初級編、中級編、上級編に分けて解説させていただきます。実際に僕が海外旅行で活用しているウェブサービスは数十個とあるのですが、全部紹介しても切りがないので、その中から7つを厳選しました。数年前には存在しなかった最新のものまで網羅しています、ぜひご活用ください!


アマゾンの奥地でピラニア釣りに興じる

<初級編>

まずは旅立ち前の準備段階において、海外旅行を個人手配する旅行者の多くが使用するサイトをご紹介します。
 
海外旅行の計画において肝となるのは、航空券と宿泊施設の2つの手配です。日本で買い物をする時に価格.comに代表される価格比較サイトを使用する人も多いでしょう。海外旅行の分野においても、実は便利な価格比較サイトが存在します。航空券では『skyscanner』、宿泊施設では『ホテルズコンバインド』が大手比較サイトです。

航空券比較サイト

skyscanner

国内線、国際線に関わらず、全世界の航空会社ほぼ全てを対象として、価格順に航空券を提示してくれるサイトです。航空券比較サイトにおける世界最大手であり、旅慣れている人で知らない人はいません。

最安値で表示される航空券は乗継が不便な場合が多いので、表示される総飛行時間と価格を比較して、ベストな航空券を選択しましょう。購入する航空券が決まれば、航空会社の販売サイトに自動的に飛ばされます。必要な情報を入力し、クレジットカードで決済すれば、手配は完了。代理店に行かずとも、インターネットを通して自力でリーズナブルな航空券を購入できます。

宿泊施設比較サイト

ホテルズコンバインド

ブッキングドットコムエクスペディアなどのホテル予約サイトが提示する価格を比較してくれます。同一ホテルで最安値の予約サイトを選んで予約処理を行えば、ホテルの手配は完了となります。

最低限、外国に行く航空券と現地で泊まるホテルを事前に手配できれば、海外旅行に出発することは可能です!


オマーンの首都マスカットのお土産屋さん

<中級編>

続いて、海外で旅をサポートしてくれるスマホアプリを紹介します。

Google検索、Gmail、Googleカレンダーなど、Google社が提供するサービスはありとあらゆるものがあります。もはや、Google社のサービスを利用しないで生活するのは難しくなってきたといえるほど。それらのサービスの中でも特にGoogleマップとGoogle翻訳は、海外旅行で非常に役に立ちます。スマートフォン用に専用アプリがあるので、スマホをお持ちの方は旅立ち前にダウンロードしておくことをおすすめします。

Googleマップ

Googleマップ

普段の日常生活でも、初めて行くレストランなどに行く場合にGoogleマップアプリに目的地を入力して、道順を確かめる人が多いと思います。

この手法は、訪れるホテルや観光地のほとんどが初めての場所となる海外旅行において、この上なく便利です。今でこそ誰もが当たり前のように使っていますが、スマホに搭載されたGPS機能によって、Googleマップ上でリアルタイムに自分がいる位置を把握できるようになったのはまさに画期的と言えます。

海外の出先でオンラインになるツール(WiFiルーターやSIMカード等)を持っていなくても、Googleマップは地図情報をダウンロードする機能がついているので、オフラインでも使用することができます。

ただし、一部の国でオフライン用に地図が保存できない地域が存在します。その場合は「Maps.me」という無料アプリを使用しましょう。国ごとに地図をダウンロードできるため、オフラインでもルート検索などが可能となります。

Google翻訳

Google翻訳

外国語が喋れなくて心配という日本人は非常に多いと思いますが、Google翻訳アプリはその不安を払拭してくれます。ドラえもんの道具に『ほんやくコンニャク』というアイテムがありましたが、Google翻訳アプリはまさにそんな魔法の道具と言っても過言ではありません。

100以上の言語をカバーしており、単なるテキスト入力のみならず、音声データや写真データ、手書きによる入力までカバーしています。

事前に該当国の言語データをダウンロードしておけば、オフラインでも翻訳機能が使えます(ただし、テキスト入力と一部の言語のカメラ翻訳のみ)。出先でオンラインになれれば、レストランのメニューを撮影してその場で翻訳したり、タクシー運転手との会話で音声翻訳を使ったり、様々な場面で使用可能です。

僕自身、英語が喋れるので英語圏の国ではあまり使いませんが、先日リオ五輪でブラジルに行った時は、このアプリに非常に助けられました。スマホに向けて日本語で話しかけると、ちょっと緩やかなスピードで女性の声で翻訳されたポルトガル語が返ってくるんですが、このやり取りが時々変なニュアンスで翻訳されたりするのが妙に痛快で、お互い何度も笑いながら交流を深められます。ある意味、普通に英語でやり取りするよりも仲良くなれるかもしれません。


ブラジル・レシフェのビーチ

<上級編>

旅慣れている人であれば、ここ数年で一気に世界中で普及してきているシェアリングエコノミーサービスを活用してみてはいかがでしょうか?

シェアリングエコノミーとは、モノ、お金、サービス等を見知らぬ人と交換・共有することで成り立つ経済の仕組みのことを指します。昨今、宿泊施設や移動手段を「シェア」できるウェブサービスが台頭してきており、海外旅行で活用する人が増えてきています。

宿泊施設シェアサービス

Airbnb

ここ数年で海外旅行者の間で一気に有名になったのが、現地に住んでいる人の家やアパートの空いている部屋を一時的に間借りできるAirbnb(エアビーエヌビー)というウェブサイトです。

空いている部屋を貸したい人と、宿泊先を探している旅行者を繋ぐサービスとも言えます。ホテル予約サイトと同じように滞在都市で空き物件を検索すると、料金が表示されます。

気になる物件をクリックすれば、宿泊料金と部屋によっては退出後の清掃料金、Airbnbが徴収する3%の手数料が合算された金額と、その他の条件が表示されます。気に入ればホストと連絡を取り、現地での待ち合わせ方法などを取り決めれば、予約が成立します。

お金のやり取りはクレジットカードでAirbnbが代行してくれるので安心です。メリットは何といってもホテルより宿泊料金が安いことでしょう。また、ホストの性格次第ですが、現地に住む人と交流することも可能です。

僕自身はカナダで使った時に、ホストとそこまで仲良くはなれなかったもののペットの猫とずっと遊ぶことができたり(僕は無類の動物好き)、そこに暮らす人々の生活を直に見ながら滞在できることに新たな旅の面白みを感じました。毎回似たようなシティホテルに滞在し、新鮮味を感じなくなってきた海外旅行の中上級者に特におすすめです。

車での移動手段のシェアサービス

Uber

現在、世界507都市で展開されている配車サービスがUber(ウーバー)です。呼べる車は、ハイヤー(高級タクシー)や通常のタクシー、一般人が運転手の自家用車などを選択できます。

その中でも、「一般人の自家用車」を格安の価格で配車できるのが、Uberが人気たる所以です。スマホのGPS機能を使って、その場で最も近い車を配車することができます。マップ上で配車された車がリアルタイムで自分の所に向かっているのが確認できます。

乗車料金については、走行距離で自動計算され、登録したクレジットカードで決算されるので、車内でのお金のやり取りが発生しません。一般人と言えども、Uberの運営サイドが決めた採用基準に見合った運転手しか登録されていないので、安心と言えます。

海外の外出先で近くにタクシーが見当たらない時や、移動費を安く済ませたい時はぜひ活用してみてください。


ヨルダンの世界遺産・ペトラ遺跡

日本人ガイド紹介サイト

トラベロコ

中級編でGoogle翻訳アプリを紹介しましたが、それでも外国語が全く喋れなくて不安な方は、訪問した都市を案内してくれる現地在住の日本人を紹介してくれるウェブサービス「トラベロコ」を活用してみてください。これもまた「日本語ガイド」のシェアサービスと言えます。

有料になりますが、現地に住んでいる人ならではの観光ルートを日本語のガイド付きで回れるのはとても魅力的です。プロのガイドも登録していますし、普段は別の仕事や専業主婦をしている人が片手間でガイドに付き合ってくれるパターンもありますし、様々な出会いがあるでしょう。一人旅で話し相手がほしかったり、現地語が喋れる案内人がほしい場合は、ぜひ活用してみてください。


ブラジルの世界遺産・サルヴァドールの旧市街

まとめ

現代はいわずもがな、サバイバル能力が試される時代です。終身雇用制度がとうの昔に終焉を迎え、日本国内で生活していく上でもどう生きていくかが問われています。

そんな環境の下、短い期間でも良いので、誰かにサポートしてもらうわけでもなく、自分ひとりの力で海外を自由に旅してみてください。突発的なトラブルも自力で解決して、サバイバルスキルを磨いて帰国すると、今まで何の変哲もなかった日常生活がガラリと変わって見えるかもしれません。

元日本代表の中田英寿氏がサッカー選手を引退する時に「人生とは旅であり、旅とは人生である」という格言を残しました。まるで人生のような旅をするためには、「お仕着せ」のパッケージツアーでは確実に物足りません。

自由を得るためには必ずリスクが伴います。そのリスクを最小限に食い止めるためのウェブサービスをこのコラムで紹介しました。これら7つのウェブサービスを活用して、ぜひ独力で海外旅行に出かけてみてください。きっと素敵な体験が待っているはずです。

文・村上アシシ
1977年札幌生まれ。2000年に新卒で外資系コンサルティング会社に入社。2006年に退社し、個人コンサルタントとして独立して以降、「半年仕事・半年旅人」という独自のライフスタイルを継続中。サッカー日本代表と北海道コンサドーレ札幌を追いかけて世界中・日本中を旅し、応援するだけではなく、著述家としても活動する『プロサポーター』。サッカーと旅に関連した書籍を今までに4冊上梓している。

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