2017年に入り、日本でもちらほら聞くようになった「豪華列車」。5月にはJR東日本から「TRAIN SUITE四季島」が運行開始、この6月にはJR西日本から「TWILIGHT EXPRESS瑞風」と続き、豪華列車が次々とデビューします。国内ではJR九州の「ななつ星in九州」と合わせて3本の列車が走ることになります。

日本ではまだ少ない豪華列車ですが、世界では伝統ある車両が数多く運行されています。この記事では、一度は乗ってみたい世界の豪華列車をご紹介。列車のコースから車内の特徴まで解説します。

■1.オリエントエクスプレス

「豪華列車」といえば、オリエントエクスプレスを思い浮かべる方が多いでしょう。アガサ・クリスティの小説『オリエント急行殺人事件』など、数々の小説や映画に登場してきました。

オリエントエクスプレスは1883年に、パリからトルコのイスタンブールを結ぶ寝台列車として誕生しました。1920年代に全盛期を迎え「走る社交場」として大人気を博しました。しかし、自動車の発達によりオリエントエクスプレスは衰退期に入り、2009年に廃止となりました。

現在のオリエントエクスプレスはベルモンド社が運行している「ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス」です。オリジナルのオリエントエクスプレスではありませんが、往年のオリエントエクスプレスの雰囲気を十二分に堪能できます。

コースは複数用意されています。一例を挙げるなら、ロンドン(イギリス)~ヴェローナ(イタリア)やパリ(フランス)~ヴェニス(イタリア)があります。予約はコース別になっているので、気に入ったコースを選んでみましょう。

キャビン(客車)は二段ベッドの「ダブル・キャビン」と1人使用の「シングル・キャビン」があります。どちらの部屋も19世紀末から20世紀初頭を感じさせるシックな雰囲気に満ちていて、まるで小説や映画の世界に入り込んだようです。

食事は豪華なフランス料理が心行くまで楽しめます。その後は、バーでカクテルを傾けながらオリエントエクスプレスの雰囲気を心行くまで味わってください。

名称:オリエントエクスプレス(ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス)
ホームページ:http://www.belmond.com/ja/venice-simplon-orient-express/

■2.ロイヤルスコッツマン

Mahboobehさん(@mahboobeh)がシェアした投稿 – 2016 10月 4 10:28午前 PDT

世界を代表する鉄道大国、イギリスの豪華列車といえばロイヤルスコッツマンです。ロイヤルスコッツマンはオリエントエクスプレスを運営しているベルモンド社が手がけたイギリス国内を走る豪華列車です。

コースは北部スコットランドの代表都市、エジンバラのウェーバリー駅を発車。数日かけてスコットランド中を巡ります。単に列車の旅を満喫できるだけでなく、歴史探訪スポーツアクティビティなど、様々なエクスカーションも楽しめます。

キャビン(寝台車)はツインタイプ16室、シングルタイプ4室が用意されています。どちらも映画や小説に登場しそうな、重厚な雰囲気となっています。ロイヤルスコッツマンの最大の目玉は最後尾の展望車!スコットランドの空気を浴びながら、流れゆく車窓を堪能できます。

食堂車では、スコットランド名物のシーフード、鴨、鹿を使った料理などバラエティーあふれるメニューが楽しめます。季節によってメニューが変わるので、時期を変えて乗車するのもいいかもしれません。

名称:ロイヤルスコッツマン
ホームページ:http://www.belmond.com/ja/royal-scotsman-train/

■3.エル・トランスカンタブリコ

次はスペインを走る豪華列車から。エル・トランスカンタブリコは夜の移動がない珍しい豪華列車です。そのため、夜行列車特有の揺れと音が苦手な方でも、安心して楽しめます。

スペイン北部の町、レオンから巡礼地で知られるサンチャゴ・デ・コンポステーラを1週間かけて運行。いずれの日も昼間に走り、夜は駅で長時間停車します。それぞれの日程はホームページで詳しく紹介されています。

室内は木目調ながらスペインらしい明るい雰囲気になっています。注目して欲しいのがシャワー。エル・トランスカンタブリコのシャワーはミストシャワーになっており、湯船の中にいるような感覚になります。

サロンカーではゆったりとした雰囲気のなかで高級料理が味わえます。ポイントは24時間利用可能であること。いつでも列車の旅に変化をもたらすことができます。

名称:エル・トランスカンタブリコ
ホームページ:http://www.air-inter.jp/L-train.html

■4.ゴールデン・イーグル

誰もがあこがれるロシアの大地を走るシベリア鉄道。極東のウラジオストクからモスクワまでは定期列車ですと1週間かかります。また、ウラジオストク発モスクワ行きの直行列車にはシャワー室は用意されていないので、快適な旅とはいえません。

ロシアの大地とゴージャスな旅を望まれる方は「ゴールデン・イーグル」がおすすめです。「ゴールデン・イーグル」はイギリスの会社によって運行されている豪華列車です。そのため、一般のロシアの客車とは大きく異なります。

「ゴールデン・イーグル」に乗車するのであれば、シベリア鉄道を走破できる15日間のコースを選択しましょう。シベリア鉄道の旅はもちろんのこと、実際に列車を降りて沿線観光も楽しめます。

最もポピュラーなクラスは「ゴールドクラス」。室内は青色を基調とした落ち着いた雰囲気となっており、2段ベッドやユニット型のシャワー・トイレが用意されています。

レストランカーではロシア料理をはじめ様々な料理が楽しめます。また、車内ではコンサートだけでなく、ロシア語講座も行われます。知的好奇心も満たせるスケールの大きい豪華列車に乗ってみませんか。

名称:ゴールデン・イーグル
ホームページ:http://www.royalroad.jp/yumekyu/column/column_004.asp

■5.ブルートレイン

Manéさん(@maakopyan)がシェアした投稿 – 2017 2月 21 12:03午後 PST

ブルートレインといえば、日本の寝台列車を思い浮かべる方が多いでしょう。残念ながら、国内でのブルートレインは運行されなくなってしまいました。しかし、南アフリカでは世界を代表する豪華列車として健在です。

ブルートレインは首都のプレトリアから南部のケープタウンを約30時間かけて結んでいます。文字通り、ブルーがまぶしい18両編成のすてきな車両です。

車内はラグジュアリースイートデラックススイートの2種類が用意されています。どちらもヨーロッパ調の室内で、ゆったりと列車の旅が満喫できます。デラックススイートの一部の部屋ではダブルベッド仕様となっています。

ブルートレインでは野生動物を使った迫力満点の南アフリカ料理が食べられます。また、ディナーでは豪華なフレンチ料理も。近年、注目されている南アフリカのワインと一緒に楽しみたいところです。

一味違ったラグジュアリーな南アフリカの旅を堪能しましょう。

名称:ブルートレイン
ホームページ:http://www.bluetrain.co.za/

■6.マハラジャ・エクスプレス

マハラジャ・エクスプレスはインドを代表する豪華列車です。インドの鉄道と聞くと、混沌とした車内をイメージされるかもしれません。マハラジャ・エクスプレスではそのような心配は不要です。

マハラジャ・エクスプレスには、大きく分けると3泊4日コース7泊8日コースがあります。例えば、3泊4日コース「インドの宝号」はデリーを出発しアグラ、ランタンボールを経由してデリーに戻ります。7泊8日コース「インドの遺産号」はムンバイとデリーを結びます。

室内は4つのグレードがありますが、注目すべきは「プレジデンシャル・スイートキャビン」です。この客室は1両まるごとを使用。室内にはダブルとツインの2つのベッドルーム、リビングルーム、専用ダイニングルームがあります。もちろん、マハラジャ・エクスプレスのなかで、最も豪華な車両です。

食堂車の室内はインドらしいエキゾチックな雰囲気。インド料理からコンチネンタル料理まで用意されているので、7泊8日のコースであっても飽きません。

名称:マハラジャ・エクスプレス
ホームページ:http://ja.the-maharajas.com/

■7.イースタン&オリエンタル・エクスプレス

次は日本から気軽に訪れることができる、東南アジアを代表する豪華列車です。イースタン&オリエンタル・エクスプレスはマレー半島を縦断する豪華列車。オリエントエクスプレスのアジア版として知られています。

コースはバンコク(タイ)~シンガポール間の2泊(or3泊)のコースが基本で、マレーシアを縦断します。

客室は3つのグレード「プルマン・キャビン」「ステイト・キャビン」「プレジデンシャル・スイート」にわかれています。いずれの客室も東南アジアとヨーロッパがミックスしたようなスタイルで、独特の雰囲気を醸し出しています。

食堂車ではアジアンテイストなフランス料理が味わえます。また、朝食には熱々のクロワッサンが食べられます。

名称:イースタン&オリエンタル・エクスプレス
ホームページ:https://www.belmond.com/eastern-and-oriental-express/

■8.ザ・ガン

オーストラリアの広大な大地を疾走する豪華列車がザ・ガンです。この列車は南部のアデレードから大陸西側のダーウィンを54時間かけて結びます。ラグジュアリーな雰囲気のなかで、オーストラリアを満喫するなら持ってこいの豪華列車です。

ザ・ガンではプラチナサービスゴールドサービスが用意されています。プラチナサービスの室内で注目したいのがベッド。その時のシチュエーションに合わせて、ツインかダブルを選択できます。昼間はゆったりとくつろげるデラックスラウンジに変わります。

一方、ゴールドサービスではシングルルームとツインルームを選択できます。どちらのサービスも、降車駅から指定ホテルまでの送迎が含まれています。

食堂車では、バラマンディの塩焼きやカンガルーのフィレなど、オーストラリア独自の料理を満喫できます。

名称:ザ・ガン
ホームページ:http://www.gsr-japan.com/new/index.html

■9.ヘラン号

次は韓国の豪華列車を紹介します。ヘラン号は従来の韓国旅行のイメージを覆す豪華列車です。ヘランとは韓国語で「太陽」を意味します。もともと、ソウルと北京を結ぶ豪華列車として登場しましたが、現在は韓国国内を一周する豪華列車として運行しています。

車内は4グレード制。ここでは家族にピッタリの「ファミリールーム」を紹介しましょう。室内は下段にセミダブルベット、上段にシングルベッド。トイレやシャワーも完備されており、家族連れで快適な列車の旅が楽しめます。

ヘラン号に乗ったら、展望ラウンジに行ってみましょう。広々とした展望スペースから、韓国のパノラマ風景が楽しめます。また、展望ラウンジではパーティーを開くこともできます。

名称:ヘラン号
ホームページ:http://www.sanshin-travel.com/specialsite/herangou/index.html

■10.ななつ星in九州

最後に紹介するのは日本初のクルーズトレイン、ななつ星in九州です。2013年10月15日の運行開始以来、国内外の観光客から絶大な支持を得ています。

コースは九州を一周する3泊4日のコースと長崎県をめぐる1泊2日コース、湯布院を楽しむ1泊2日コースがあります。どのコースを選択しても、九州の様々な表情が感じられます。

室内はスイートDXスイートの2グレード制。どちらも、モダンでありながら重厚な落ち着いた雰囲気となっています。DXスイートの最後尾の部屋からは迫力満点のパノラマ風景が満喫できます。

食事は九州の素材を生かしたバラエティーあふれるメニューを楽しめます。ななつ星in九州で「九州」を存分に味わってください。

名称:ななつ星in九州
ホームページ:http://www.cruisetrain-sevenstars.jp/

【最後に】
最後に、豪華列車のルールを簡単に確認します。まず、豪華列車に連結されている食堂車ではドレスコードがある場合が多いです。乗車の際は、Tシャツやハーフパンツは厳禁です。また、できることなら同乗者との交流も楽しみたいところです。きっと、旅のいい思い出になるでしょう。

ほとんどの豪華列車はホームページから予約できます。また、豪華列車と現地観光を組み合わせた日本発のツアーも多数用意されています。様々なプランを比較検討してみてください。