気温が上がってくると、より美味しく感じるビール
毎日のように飲んでいる方も多いのではないでしょうか。

しかし、ビールが好きだからこそ、“もっと色々な種類のビールを飲んでみたい”“ビールに詳しくなりたい”という方も多いのでは?

今回は、30ヵ国以上の国々から集めた100種類以上のビールを扱う渋谷のビアバー、CATARATAS(カタラタス)の店主、松下智典さんに、本当に美味しい海外ビール20銘柄を教えていただきました。

1.ビールが苦手な人にこそ飲んで欲しい!フルーティーな「リンデマンスシリーズ」

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商品名:リンデマンスシリーズ、原産国:ベルギー、アルコール度数:アップル(3.5%)、カシス(3.5%)、フランボワーズ(2.5%)、ペシェリーゼ(2.5%)、ファロ(4.5%)

初めに紹介するのは、ビールが苦手な人におすすめの、リンデマンスシリーズ
ベルギーのブリュッセル近郊で作られたランビック・ビールで、様々なテイストのものがあり、左から、アップル、カシス、フランボワーズ、ぺシェリーゼ、ファロです。

※ベルギーのブリュッセル近郊には、空気中に酵母が漂っており、その酵母を利用したビールがランビック・ビールと呼ばれています。

ペシェリーゼの酒で、ファロ黒酢と梅酒を足して割ったような味
それぞれ最低でも2年以上果物が自然に溶けるまで漬け込んでいることから、その味はビールとは思えないくらいフルーティ。カクテルやサワーしか飲めない人でも、美味しく飲むことができます。

実はビールが苦手で全く飲めなかったという店主の松下さん。しかしこのシリーズのファロを飲んでから、ビールに対する価値観が一気に変わったそう。
今では、どんなビールも大好きだという松下さんが、ビールを好きになるきっかけとなったビールです。

周りにビールが苦手な人がいたら、ぜひ勧めてみてください。

2.ピルスナーの元祖!「ピルスナーウルケル」

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商品名:ピルスナーウルケル、原産国:チェコ、アルコール度数:4.4%

次に紹介するのは、ピルスナーウルケルウルケルとは元祖という意味で、ピルスナーの元祖と言われているビールです。

現在、日本の国産ビールはほとんどがピルスナーという種類に分類され、ホップの苦味が特徴的なスタイルです。

ピルスナーウルケルは、日本のビールに比べ、色が濃く、ホップの苦味がさらに効いているとのこと。ピルスナー好きな人は、この元祖の味を確かめてみてください。

3.「飲むパン」と呼ばれる、小麦のビール、「ヴァイエン シュテファン ヘフヴァイス」

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商品名:ヴァイエン シュテファン ヘフヴァイス、原産国:ドイツ、アルコール度数:5.4%

世界最古の醸造所であるヴァイエン シュテファンが1040年から作っている、ヴァイエン シュテファン ヘフヴァイス
ヘフ無濾過(むろか)ヴァイス白いという意味で、小麦を使った白ビールです。

その昔、ドイツの一休さんのような人が断食をしていた時に、「食べるなとは言われているが、飲むなとは言われていない。「飲めるパン」のような飲み物を作ろう。」と思い立ったのが始まりだとか。
その名残で、今でもドイツでは「飲むパン」と呼ばれているそうです。

小麦の柔らかい味わいが特徴で、ビールが苦手な人も好きな人も、美味しく飲めるビールです。

4.暑い夏、外で爽やかなビールを飲みたい人へ。「ブルームーン」

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商品名:ブルームーン、原産国:アメリカ、アルコール度数:5.5%

ヴァイエン シュテファン ヘフヴァイスに引き続き、小麦を主原料としているブルームーン
小麦を主原料としたビールは爽やかな味わいになるのが特徴ですが、副原料としてオレンジピールコリアンダーなどが入っているブルームーンは、より爽やかな味わい

本場アメリカではオレンジを添えて出されることも。

暑い夏、柑橘系の爽やかな味わいを楽しみたいという方にピッタリのホワイトビールです。

5.ブリュッセルのビール好きたちが選んだ、「グロスバルサ」

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商品名:グロスバルサ、原産国:ベルギー、アルコール度数:7.0%

ベルギーのブリュッセルでビール好きを集め、世に出ていないビールの人気投票を行い、最も票を集めたビールが商品化されるというブラッセルズビアプロジェクトが2013年から始まっています。そこで2014年、第2弾のチャンピオンに輝いたのがベルジャン ヘーフェ ヴァイツェン

※出典:brusselslife.be(http://www.brusselslife.be/en/article/brussels-beer-project)

このベルジャン ヘーフェ ヴァイツェンの商品化にあたりネーミング投票が行われ、「グロスバルサ」と命名されました。

「グロスバルサ」は、ベルギーとドイツが戦争をしていた第一次世界大戦の際、ドイツ軍が使用していた大砲の名前です。このグロスバルサにより、ベルギーのリエージュにある要塞がドイツ軍に陥落された歴史があるのだそう。
ネガティブな思い出のある戦争ですが、それを「自分たちの好きなビールに変えてやる」というベルギー人のポジティブな想いがつまったビールです。

小麦を主原料として作られたホワイトビールで、スパイス無添加のため、小麦の味わいをしっかりと楽しむことができます。

6.ゆずと山椒のスパイスが特徴!ベルギー×京都ビール「ゼニスゼスト」

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商品名:ゼニスゼスト、原産国:ベルギー、アルコール度数:6.6%

京都にある醸造所とのコラボレーションで、ゆず山椒が使われているのが特徴的なゼニスゼスト

小麦を主原料とした爽やかな味わいにゆずと山椒のスパイスが効いており、暑い夏にピッタリのビール。ローストポークやソーセージなどを食べながら飲んでもいいでしょう。

7.ビール界の神も絶賛!黒ビールの定番、「ライオンスタウト」

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商品名:ライオン スタウト、原産国:スリランカ、アルコール度数:8%以上9%未満

黒ビールの中の代表的なスタイルであるスタウト。そのスタウトの中で外せないのが、ライオンスタウトです。

その美味しさは、ビール界の神様と呼ばれている、イギリス人ライターの故マイケル・ジャクソン氏「こんなに美味しいスタウトはない。」と絶賛したほど。ローストした麦の濃い苦味や深いコクがあり、フレッシュなモカチョコレートのような柔らかい味わいです。

※出典:輸入ビールの館(http://beer-mag.com/246.html)

食事と一緒に飲むよりは、食前酒として楽しむか、チョコレートやビーフジャーキーなどの軽いおつまみと一緒に飲むのがおすすめ。スタウト好きでまだ飲んだことがない方は、ぜひ一度飲んでみてください。

8.ドライテイスト×コーンスターチの甘みが飲みやすい!「タスカー」

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商品名:タスカー、原産国:ケニア、アルコール度数:4.2%

原産国のケニアだけでなく、世界のビール好きから愛されているタスカー
ケニアがイギリスの植民地だった時代に、イギリス人の兄弟が作ったと言われています。タスカーとは英語で“牙を持つもの”という意味で、アフリカゾウのことを指す言葉。
タスカーを作った兄弟の兄が、狩猟でゾウを追っていた際に、怒ったゾウの牙に刺されて亡くなってしまったため、タスカーという名前になったとか。

しっかりとした麦芽のドライなテイストの中に、コーンスターチによる甘みも入っており、たいへん飲みやすいビールです。
暑い国で作られているだけあり、のどごしも爽やか。暑い夏の夜におすすめです。

9.アメリカのビール評論家たちの間で、100点を獲得!「エールスミス IPA」

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商品名:エールスミス IPA、原産国:アメリカ、アルコール度数:7.25%

アメリカにある醸造所、エールスミスで作られた、エールスミス IPA
ホップをたくさん使うこと強い苦味が特徴的なIPAですが、エールスミスIPAはホップの苦味によって、実際に含まれていない、グレープフルーツやオレンジなどの、柑橘系の香りを味わうことができます。

その美味しさから、アメリカのビール評論家たちが集まるWebサイト、RateBeerで、なかなか取ることができない、100点満点を獲得。

※出典:RateBeer(https://www.ratebeer.com/beer/alesmith-ipa/14396/)

RateBeerにおいて90点を超える点数は非常に高評価で、このビールの世界での評価の高さが伺えます。また、アルコール度数7.25%と、0コンマ二桁までコントロールしている点に、醸造家のこだわりを感じます。

10.コーヒー好きには堪らない!「エールスミス スピードウェイスタウト」

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商品名:エールスミス スピードウェイスタウト、原産国:アメリカ、アルコール度数:12.0%

IPAに引き続き、同じくエールスミスで作られたスピードウェイスタウト
エールスミスの帝王と言われているしっかりとした黒ビールで、麦芽を焦がしたローストモルトを多量に使った、香ばしい苦味が特徴です。

また、サンディエゴのコーヒー業者、ライアン・ブラザーズから仕入れたコーヒーを加えており、コーヒー好きにも嬉しいビール。コーヒーが入っている分、コクや味わいも強くなっており、バニラアイスやチョコレートと合わせて飲むのがおすすめです。

11.ホップの苦味が苦手な人におすすめ、「エールスミス ペールエール.394」

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商品名:エールスミス ペールエール.394、原産国:アメリカ、アルコール度数:6.0%

こちらもエールスミスで作られた、ペールエール.394
サンディエゴ出身で、年間打率.394をマークし、世界ナンバーワンとなったバッター、トニー・グウィンをリスペクトして作られたビールです。

柔らかなホップの苦味甘い麦の味わいが特徴的。落ち着いた味わいで、最初から最後まで飽きることなく飲み干すことができます。

なかなか出会うことができないレアなビールなので、見つけることができたらラッキー!ホップの苦味が苦手な人はぜひ飲んでみてください。

12.エールスミスの職人たちの思いが詰まったピルスナー、「エールスミス スペツィアルピルス」

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商品名:エールスミス スペツィアルピルス、原産国:アメリカ、アルコール度数:4.9%

RateBeerで常に高得点を獲得するエールスミスが作った、ジャーマンスタイルのピルスナービール、スペツィアルピルス

スミスとは古くから英語圏で職人が使う名前として知られており、エール職人を名乗る彼らが初めて作った、ラガータイプのビールです。モルト感のあるボディホップのフローラル感がバランス良く溶け合った、心地よい飲み心地が特徴。

すっきりとした苦味を求めている方におすすめです。

13.焦げたような優しい苦味が特徴的!「エールスミス ナットブラウンエール」

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商品名:エールスミス  ナットブラウンエール、原産国:アメリカ、アルコール度数:5.0%

ペールエール.394よりもローストが効いており、焦げたような優しい苦味が特徴的なエールスミス ナットブラウンエール

ビスケットを連想させるモルトの香りと、しっかりとしたホップの香りが絶妙なバランスで共存しています。

その絶妙なバランスをしっかりと味わうため、ナッツなどの軽いおつまみを食べながら飲むのがおすすめ。割と見つけやすいビールなので、見つけた際はぜひその独特の旨味を味わってみてください。

14.人間が感じる苦味を超えた!?「スカルピン IPA」

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商品名:スカルピン IPA、原産国:アメリカ、アルコール度数:7.0%

エールスミスのIPAと比べ、かなり苦いスカルピン IPA
ビールの苦味を表すIBUs(インターナショナル ビターネス ユニッツ)という数値があり、 IBUs100を超えるほど苦いビールは滅多にありません。
しかしこのスカルピン IPAは、なんとIBUs101

パッケージに描かれたカサゴは、そのヒレに持った毒から、ピリッと刺激的な味であることを表しています。苦味の好きな人に、ぜひ挑戦してほしいビールです。

15.シャンパン酵母で作られた、ハイアルコールな黒ビール!「ブラック 黑」

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商品名:ブラック 黑、原産国:デンマーク、アルコール度数:15.1%

デンマークのビール醸造メーカーであるミッケラーが作った、インペリアルスタウトであるブラック 黑
インペリアルとつくビールは全てハイアルコールで、このブラック 黑も、アルコール度数が15.1%です。

通常のビール酵母では、頑張っても12%くらいまでしかアルコール度数を上げることができないため、このビールはシャンパン酵母を使って作られたのだとか。「とにかく漆黒のビールを作りたい」という想いで作られた黒ビールで、その色はまさに漆黒。

麦のロースト感がとても強く、香ばしい苦味を楽しむことができるビールです。

16.ジャコウネコの糞から取り出したコーヒー豆を使っている、「ビアギーク ブランチ ウィーゼル」

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商品名:ビアギーク ブランチ・ウィーゼル、原産国:ベルギー、アルコール度数:10.9%

こちらも、ミッケラーが作ったというビアギーク ブランチ ウィーゼル。醸造所を持たないミッケラーは、作りたいビールに合わせて、そのビールを作るのに適切な醸造所を選び依頼します。

このビアギーク ブランチ ウィーゼルはなんと、パッケージになっているジャコウネコの糞から取り出したコーヒー豆、コピルアックを使っているのだとか。
ジャコウネコがコーヒーチェリーを食べると、胃の中で実の部分のみを消化し、豆は消化しません。ジャコウネコが腸内で特別な発酵を行い、糞として排泄した豆を、綺麗に洗浄したものがコピルアックです。

その希少性から、小さいグラスでも1杯2,000円ほどする高級なビアギーク ブランチ ウィーゼル。コピルアック独特の深みやコクとローストの苦味が溶け合い、非常に味わい深いインペリアルスタウトビールとなっています。

17.酸味×バジルの新たなコラボが美味しい!「リンデマンス スポンタンバジル」

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商品名:リンデマンス スポンタンバジル、原産国:ベルギー、アルコール度数:6.0%

最初に紹介したベルギーのリンデマンスと、ミッケラーがコラボして作ったリンデマンス スポンタンバジル

リンデマンスの若いランビック(自然発酵)と古いランビックを合わせ、長い年月をかけて作られるグーズと言われるブレンドのランビックに、フレッシュなバジルを加えて作られました。

“酸味のあるランビック×バジル”という新たな試みのビールに、世界中のビール好きが驚きましたが、飲んでみると意外や調和しています。
カプレーゼなどのイタリアンに合う、珍しいビールです。

18.ビールというよりは蒸留酒!?高級ビール、「ブリュードッグ シンク ザ ビスマルク」

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商品名:ブリュードッグ シンク ザ ビスマルク、原産国:スコットランド、アルコール度数:41%

かつて、ビールの中で1番ハイアルコールだと言われていたブリュードッグ シンク ザ ビスマルク
1本1万円以上します。

値段の理由は製造方法。アルコール度数を上げるために何度も冷凍してアルコールと水分を分け、アルコールだけを抽出しています。この方法は冷凍蒸留法と呼ばれ、ブリュードッグ シンク ザ ビスマルクは通常の4倍のホップを用いて、4回の冷凍蒸留を行っており、この1本を作るためにとても長い時間と手間、コストがかけられています。
その結果、通常の4倍の苦みを持ち、41%という驚異的なアルコール度数を誇るビールに。

この冷凍蒸留法と呼ばれる方法で作られたビールは蒸留酒に近く、ビールであるにも関わらず日持ちするのが特徴。1度で飲み切らないことを前提に、瓶に専用の蓋が付いている、ユニークなインペリアルIPAビールです。

19.世界で最もハイアルコールな黒ビール!「ブリュードッグ タクティカル ニュークリア ペンギン」

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商品名:ブリュードッグ タクティカル ニュークリア ペンギン、原産国:スコットランド、アルコール度数:32%

ブリュードッグ シンク ザ ビスマルクと同じ冷凍蒸留法によって作られた黒ビールがブリュードッグ タクティカル ニュークリア ペンギン
インペリアルスタウトというスタイルをとっており、黒ビールの中で最もハイアルコールなビールです。

こちらのビールは2種類のウイスキー樽で合計16ヶ月の熟成を経て作られているため、1本1万円を下りません。シンク ザ ビスマルクと同じく日持ちするため、専用の蓋がついています。黒ビールが好きな人は、自分へのご褒美に1度飲んでみてはいかがでしょう。

20.IPA好きは外せない、「ブリュードッグ パンク IPA」

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商品名:ブリュードッグ パンク IPA、原産国:スコットランド、アルコール度数:5.6%

世界で最も有名なIPAのうちの1本、ブリュードッグ パンク IPA
元々は弁護士だったブリュードッグの創業者、ジェームズ・ワットが、ビール界の神様、ライターの故マイケル・ジャクソン氏に推されて本格的にビール業界に入り、世界一のIPAを目指して作ったブリュードッグの看板アイテム。

価格も手頃で、世界中のIPAファンに親しまれています。
IPA特有のホップの苦味が好きな人でも満足するよう、たくさんのホップを使って作られており、グレープフルーツのような爽やかな苦味を楽しむことができます。

この夏は、今まで飲んだことがないビールで新しい苦味に出会おう

ひと口にビールと言っても、本当に様々な味、作られ方、歴史、文化が詰まっています。
この夏は、いつもと違うビールを飲んで、今まで味わったことがない苦味、香り、酸味や甘みと出会ってみてはいかがでしょうか。
暑い夏や仕事の疲れを、美味しいビールで吹き飛ばしましょう。

但し、飲み過ぎにはご注意を!


取材協力:CATARATAS(カタラタス)
URL:https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13048683/
営業時間:18:00〜26:00(ラストオーダーは25:00)
定休日:日曜日
チャージ料金:なし
アクセス:東京都渋谷区桜丘町 16-14 ドルチェ渋谷B2F(JR渋谷駅西口より徒歩2分)