アメリカ・ジョージア州のネイサン・ディール知事が3月28日、州議会を通過した「宗教自由法案」に、拒否権を発動する考えを表明しました。

この法案は、セクシャル・マイノリティー(LGBTQ)の人々への差別につながる可能性があるとして、当事者団体やハリウッドの映画会社から批判が出ていました。

「宗教自由法案」が差別的と批判された訳

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「宗教自由法案」は、ジョージア州の事業主(企業や非営利団体)が信仰を理由に雇用や教育、サービスなどを拒否することを認めるもので、基本的に同性婚反対論者に法的な保護を与える内容です。

この法案が成立した場合、LGBTQの人々は「宗教の自由」の名のもと解雇されたり、顧客としてサービスを受けられなくなる、例えば同性カップルは結婚式を挙げるのを聖職から拒否されるのではないかとの懸念が出ていました。

つまり、LGBTQの人たちが、何らかの不利益を受けても、法的な責任を問えなくなるのではと考えられるのです。

ディズニーなどハリウッドのメジャー・スタジオが反対を表明

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この法案が州議会で可決された直後、すぐさま反対を表明したのが、ディズニー社です。

「差別を許すような法律がジョージア州で成立した場合、現在ジョージア州で行われている撮影を取りやめる」とディズニー社は宣言。

21世紀フォックス、ソニー、ユニバーサル・スタジオの親会社であるコムキャスト、ワーナー・ブラザースの親会社であるタイム・ワーナーなど、大手の映画会社が、これに続々と賛同します。

また、ジョージア州で撮影されているドラマ「ウォーキング・デッド」を放送するAMCも、法案が成立した場合は撮影を取り止めると発表。さらに、ストリーミング配信会社のネットフリックスも、法案成立の際は、予定している2つのオリジナルシリーズのジョージア州での撮影を取り止めると表明しました。

あらゆるエンターテインメント会社から非難を受けたジョージア州ですが、州内で撮影する映画会社に減税政策を実施するなど、「南部のハリウッド」と呼ばれるほど、ここ数年、映画撮影の誘致に力を入れてきました。法案が成立してしまうと、州が大きな経済的損失を受ける点も、知事が拒否権を発動した理由の大きな1つと考えられています。

連邦最高裁が全50州での同性婚を認める判決を出す一方で、このような法案が州議会を通過するのがアメリカという国の現状なのです。

<参考記事>

拒否権の発動

ディズニーの反対表明

他社の法案への反対表明