空いている部屋を低価格で貸し借りできるサービス「Airbnb」は日本でも市民権を得てきました。最近では、自宅の駐車場を低価格で貸し借りできるサービス「akippa」のように、日本発のシェアリングサービスも増えています。

このようなシェアリングサービスを通して成立する経済は「シェアリングエコノミー」と呼ばれており、欧米を中心にシェアリングエコノミーは発展を遂げています。(参考:シェアリングエコノミーとは

今後シェアリングエコノミーはどのような方向に進んでいくのでしょうか。今回の記事ではTwitterを通じて、人々のシェアリングエコノミーに対する考えを見比べ、シェアリングエコノミーの真価を見極めていきたいと思います。

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Photo By Quinn Dombrowski via Flickr

日本ではシェアリングエコノミーに対する賛否両論が吹き荒れている

欧米発のシェアリングエコノミー。日本でも徐々にシェアリングエコノミーが普及していますが、人々はシェアリングエコノミーを歓迎しているのでしょうか。日本の人々のさまざまな考え方を見ていきましょう。

シェアリングエコノミーは、利益以上の何かを生み出すかもしれない

日本でシェアリングエコノミーを支持する人の多くは、安くサービスを利用できる経済性以上に、シェアリングエコノミーが生み出す付加価値に注目している印象があります。

日本を代表するシリアルアントレプレナーであり、現在は株式会社キメラの代表取締役を務める家入一真氏は、シェアリングエコノミーが人類の生存戦略とも述べています。それほど、世の中に与えるインパクトが大きいのでしょうか?

シェアリングエコノミーが新たな市場になる可能性と同じくらい、シェアリングエコノミーがコミュニティを創出しうる可能性に期待している人もいます。人々が「分け合う」シェアリングエコノミーは、コミュニティの希薄化を反転させる特効薬になるかもしれませんね。

Airbnb利用者の声です。安価なサービスだけでなく、「今まではできなかったことをできるようにする」という新しさの提供も、シェアリングエコノミーの利点なのかもしれません。そして「新しさ」は人々を引きつけていくのでしょう。

ストレートにシェアリングエコノミーを応援したいと思っている人もいます。「社会を良くしたい」という想いを実現するため、シェアリングエコノミーの拡大を望んでいる人が多く見受けられます。

「もったいない」という日本語が世界中でブレイクしたことがありましたが、モノを大切に使う文化が日本には存在します。また、日本は諸外国の文化を取り入れ、改良する「カイゼン」も得意です。これらの日本人らしさは、シェアリングエコノミーの発展をもたらすかもしれませんね。

日本特有の文化がシェアリングエコノミーの普及を拒む?反対派の声

「知人とは密な関係を築くが、見知らぬ人とは距離感を置く」日本流のコミュニティ形成、マイホーム礼賛など日本独特の文化が、シェアリングエコノミーを妨げる可能性は大いにありえます。

「シェアする」というシェアリングエコノミーの根本となる考えを受け入れたくない人も多くいます。すでに出来上がったコミュニティを重視するという日本人の傾向を考えると、自分の知らない人とのシェアに対する抵抗感は、諸外国以上に強いのかもしれません。

「一生懸命働き、稼いだお金で慎ましく暮らすこと」を美学とする人は日本に大勢います。こういった人々は、「シェア」の概念に納得できず、感情的にシェアリングエコノミーに反対の姿勢を示しています。

7月に渋谷区のマンションで、中国人の4歳の女の子が12階から転落し死亡しました。女の子は母親とともに観光で日本を訪れ、Airbnbを利用していたと見られています。このような死亡事故が起きてしまった日本では、安全性の観点からシェアリングエコノミーを反対する声が強まっており、法規制がかけられる可能性も高まっています。

安全性や清潔さは万人が求めるものですが、日本ではこれらは最重視されます。シェアリングエコノミーが安全性を十分に担保できない限り、日本でシェアリングエコノミーが爆発的に普及することは難しいでしょう。

Image of Sharing Economy

Photo By Ron Mader via Flickr

世界でもシェアリングエコノミーに対する賛否両論が吹き荒れている

Airbnb, Uberに加え、世界では新たなシェアリングサービスが誕生しています。旅行業界におけるデジタル最新事情を取り扱うCNNjの「Business Traveller」では、世界で注目を集めるシェアリングエコノミーを特集し、シェアリングエコノミーの現状をつぶさに伝えています。

確かにシェアリングエコノミーは拡大し、それを礼賛する人々も世界中にいますが、シェアリングエコノミーに対して懐疑的な人々も世界中に存在しています。両方の立場からシェアリングエコノミーの未来を探っていきましょう。

シェアリングエコノミー推奨派のキーワードはイノベーション

シェアリングエコノミーを進める人々の声に共通して見られるキーワードは「イノベーション」であるように感じます。シェアリングエコノミーに肯定的な人々は、シェアリングエコノミーがもたらすイノベーションに大きな可能性を信じています。

シェアリングエコノミーは、ソーシャルコマースに変わる新たなビジネス形態に変わりつつあります。シェアリングエコノミーを「ポスト資本主義」と呼ぶ人々もいますが、現在は歴史の転換点なのかもしれません。(参照:ソーシャルコマースとは)

シェアリングエコノミーはイノベーションなのだから、左派の人々は積極的に進めていくべきだと考える人もいます。法規制の整備など、シェアリングエコノミーが本当の意味で普及するまでには、時間がかかりそうです。

まだまだ課題は山積ですが、シェアリングエコノミーに興味を持っている人々は大勢います。こういった人々が増えていき、シェアリングエコノミーに投下されるお金、サービスを利用してのフィードバックなどが増えていけば、シェアリングエコノミーは拡大していくでしょう。

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Photo By Martin Fisch via Flickr

安全性が担保されぬシェアリングエコノミーはダメ

一方で、シェアリングエコノミーに反対する人々も根強くいます。一番の懸念は安全性。シェアリングサービスは人々の生活に根ざしているにも関わらず、現在は安全性が十分に担保されていません。

シェアリングエコノミーが抱える最大の問題は、利用者が犯罪に巻き込まれる可能性が高いことです。便利さを追求すればするほど、それに伴って危険性は高くなります。安全性がしっかりと担保されない限り、シェアリングエコノミーの爆発的な拡大はなさそうです。

シェアリングサービスのAirbnbにおいては、男性のホストが女性旅行客を襲うといった事件が発生しています。シェアリングエコノミーには興味があるけれど、それ以上にリスクを恐れて支持しないといった人々も大勢いるのでしょう。

シェアリングエコノミーは労働者の権利を保証しないのではないかと心配する声です。安全性を懸念する消費者の目線からのみでなく、雇用者もしくは労働者の視点から考えても、シェアリングエコノミーは望ましいものではないのかもしれません。

シェアリングサービス関連の事故や事件は、残念ながら多く見られます。安全性を担保するため、間違いなく法規制が導入されていくと思いますが、その時にシェアリングエコノミーの真価が問われるのではないでしょうか。

Photo By Martin Tenbones via Flickr

Photo By Martin Tenbones via Flickr

シェアリングエコノミーは人々の考え方と暮らしを変えていくのだろうか

国内外を問わず、シェアリングエコノミーに対する関心は高まっています。まだまだ安全性などの課題は解決されていませんが、法規制の強化やサービスの改善により、シェアリングエコノミーの魅力を体感する人々は増えていくのではないでしょうか。人々の暮らしを豊かにするシェアリングエコノミーの拡大を期待しています。

文:Social Likers! by JCTV

写真提供:Flickr, PIXTA

参考:
CNNj「Business Traveller」(2015/07/09 OA)
ソーシャルメディアにより広がる「シェアリング・エコノミー(共有型経済)」の大きな可能性  | ソーシャルビジネス最前線 | 現代ビジネス [講談社]
ソーシャルコマースとは