カジノ法案、複合リゾート(IRリゾート)という言葉をよく聞くようになった昨今。長い間カジノが禁止されていた日本でも、カジノ合法化を巡る議論が活発になっています。果たして日本にカジノは必要なのでしょうか?国内外のカジノ事情を読み解き、日本のカジノ法案の今後を考えていきます。

そもそもカジノ法案とは?カジノ法案に対する日本の賛否両論

Casino Royale 07Photo By University of the Fraser Valley via flickr

カジノ法案とは、日本国内におけるカジノの合法化を推進する法案のこと。

2013年12月に超党派の「国際観光産業振興議員連盟」(カジノ議連)によってとりまとめられ、自民党、日本維新の会、生活の党の3党により衆議院に法案が提出された。カジノと宿泊施設が一体化された特定複合観光施設を、許可を受けた民間事業者が認定された地域で運営できるという内容で、刑法で賭博として禁じられているカジノの解禁を推進している。
出典:カジノ法案とは|カジノ解禁法案 – 意味/解説/説明/定義:マネー用語辞典

カジノ法案が成立すれば、カジノを含む複合リゾートの開発が進んでいくでしょう。では、カジノ法案に日本人は賛成しているのでしょうか?日本国内の声を見ていきます。

カジノ誘致反対!治安悪化とギャンブル依存症の恐怖

治安の悪化、並びにギャンブル中毒患者の増加を恐れ、カジノ誘致に反対する日本人のツイート。カジノには経済効果があるというプラスの面を認識しながら、カジノを財源にしようとしている人々を「ギャンブル好き」と一蹴。カジノの正負を考えた上で、カジノ法案に反対する意見がこちらです。

Casino RoyalePhoto By Prayitno / Thank you for (7 millions +) views
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日本成長の起爆剤?カジノ法案の成立を望む声

こちらはカジノ法案の成立を待望する声。セントーサ島のIRリゾートに代表されるシンガポールの成功を例にあげ、IRリゾートの経済効果に期待しています。カジノ導入による経済成長は、カジノ推進派の最大の根拠です。

日本では賛否両論あるものの、カジノ誘致は、なかなか難しい模様。ただし、カジノ法案成立に向けた動きもあり、海外のようなカジノリゾートが日本にも誕生するかもしれません。そこでより深くカジノのことを知るため、カジノ誘致が進んでいる海外に視点を移しましょう。

海外ではカジノは人気?海外のカジノ事情

Paf Poker Challenge 2013: Day ThreePhoto By Play Among Friends Paf via flickr

世界には3,000近くのカジノがありますが、大半がアメリカとヨーロッパに集中しています。この地域に焦点を当てて、海外のカジノ事情を見ていきます。

地域で明暗が分かれた!フランス・ブルターニュのカジノ事情

フランス・ブルターニュ地方のカジノ事情について解説されている、興味深いツイート。青丸は2010-2011年の売上高(単位は100万ユーロ)、緑の数値は前年度比の成長率となっています。ヨーロッパ及びフランスのカジノ市場は成長していたので、全般的に売上高は拡大しています。ただし、競争に破れたカジノの売上高は下がっており、中には経営が危ないカジノもある模様。(Source:THE ECONOMICS OF GAMBLING

今回はフランス、ブルターニュ地方のカジノ事情を取り上げましたが、ヨーロッパ全土でも同様の傾向が見られます。カジノ誘致には大きな経済効果がありますが、どのカジノも成功するとは限りません。当然のように思えますが、重要な事実ですね。

Solar Casino Night (3)Photo By Ian Murphy via flickr

世界一のカジノ大国アメリカ、カジノの経済効果は年240億ドル

アメリカンゲーミング協会の発表によれば、カジノが全米に及ぼす経済効果は年間240億ドルとのこと。170万人の雇用を生み出しており、カジノはアメリカが誇る産業の一つになっています。

アメリカのさらなるカジノ事情:熾烈な競争とゲーミング協会の施策

DSC29079, Atlantis Casino Hotel, Reno, Nevada, USAPhoto By Jim G via flickr

アメリカのカジノ市場が巨大であることは、先ほどのツイートから分かりましたが、その実情はどうなっているのでしょう?以下、詳しく見ていきます。

【アメリカのカジノ情報あれこれ(2013)】
・市場規模:810億ドル。これはアメリカの航空業界より大きい。
・法人税:380億ドル。当時の日本円に換算すれば約4兆円。
・経済効果:カジノ施設の建設を除き、240億ドル。直接経済効果は102億ドル。
source: Casinos and gambling business: Jackpot! Gaming’s impact on the US economy(CNBC.com)

アメリカのカジノ市場は現在も成長しており、アメリカの重要な財源の一つになっています。ただし、フランスの事例と同様に、国内での競争が熾烈になっており、それぞれのカジノが生き残るために必死。

全米、特に東海岸の北部で競争が熾烈になっている。それぞれの企業が生き残るための方法を実践しているのは、見て明らかだ。(アメリカンゲーミング協会のサラ・レイム氏)
source: Casinos and gambling business: Jackpot! Gaming’s impact on the US economy(CNBC.com)

アメリカで着実に伸び続けるカジノ市場ですが、問題もあります。それは、カジノ依存症や治安維持。アメリカでは、アメリカンゲーミング協会が中心になり、カジノ企業と連携した取り組みを行っています。

1998年、カジノ免許事業者に対し、ギャンブル依存症に対する問題対処のプログラム作成と情報提供を行うことが、法律で義務づけられた。ネバダ州ゲーミング管理局は、ネバダ州におけるカジノ産業の監視・管理を行い、州法と規則に照らしながらカジノ産業の適正管理を担当している。
出典:カジノ・エンターテイメント導入に伴う懸念事項への対処(沖縄県)

ラスベガスのあるネバダ州では、ネバダ州ゲーミング管理局がさまざまな取り組みを行っています。アメリカでは、カジノを統制する協会と各企業の努力で、秩序を保とうとしています。

Casino Night 2.19.13Photo By Southern Arkansas University
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経済効果が魅力的なカジノ!日本での解禁はあるか

これまで、海外のカジノ事情を見てきました。カジノ誘致に際しては、ギャンブル依存症や治安への悪影響といった懸念は残るものの、大きな経済効果が見込まれます。大阪商業大学の佐和教授は、カジノが日本に与える経済効果は4兆円以上になると想定しています。

わが国にカジノが開設された場合、その市場規模は2兆1,517億円〜3兆4,438億円になり、その直接、間接の波及効果を含めれば経済波及効果は4兆7,873億円〜7兆6,619億円、誘発雇用人員は49万1,863人〜78万7,204人になるという計算結果であった。
出典:カジノ開設の経済効果(大阪商業大学)

アベノミクス第4の矢とも呼ばれるカジノ法案。カジノは、経済成長の起爆剤になりえます。さまざまな困難を乗り越え、カジノ法案は成立するのでしょうか?気になるところです。

文:Social Likers! by JCTV

画像出典:flickr

参考:カジノ法案とは|カジノ解禁法案 – 意味/解説/説明/定義 : マネー用語辞典